洛東遺芳館

見どころ

祝枕 漠南天蒔絵。片面に夢を食べる動物・バクが、もう片面に南天が描かれた婚礼用の枕

江戸期の豪商によるコレクション

肥後熊本・加藤清正の家臣・柏原郷右衛門を祖とすると伝わる柏原家。商いを始めた初代・三右衛門が1645（正保2）年、現在の地に居を構え、元禄の頃には木綿・漆器・紙などを扱う江戸店持京商人として豪商と称されるほどの富を築いた。 所蔵品は、柏原家に江戸時代から伝承する婚礼衣装・調度品など約8000点、経営記録・古文書・古書籍約1万冊のほか、『源氏物語』の風景を描いた「紙本金地著色 源氏物語野外風俗図 六曲一双」など、絵画（掛軸・屏風・浮世絵）・墨蹟・陶磁器・茶道具・刀剣・衣装などがあり、これらを春・秋にテーマを決めて、順次特別公開している。また、1763（宝暦13）年築の建物も一部見学が可能。幾多の大小火難を逃れほぼ当時のままの体裁を保つ、回り廊下の豪華な邸宅で、豪商の質実剛健な暮らしぶりがうかがえる。